近所の山桜
ソメイヨシノやオオシマザクラ、それにサトザクラのようないわゆる園芸種だと明らかに人の手による植栽だが、さすがにヤマザクラとなると自生が多い。
もちろんそれが畑の際とかなら人為的である可能性もあるが、春まだ浅い芽吹き前の日当たりの良い斜面や、新緑に紛れてぽつんと生えているヤマザクラなど、立っているのがいかにも唐突な場所だと、鳥などが種を運んだと考えるのが自然だろう。
桜は被写体としては春の定番で、都市部から田舎に至るまで春を表現するのに一番人気であるのは言うまでもない。素材として引き合いがあるのも紅葉と並んで双璧だ。
桜は花期が短く見頃は一週間と無いが、日本列島を南から北へ3ヶ月近くかけて前線が移動していくことを考えると、日本全体ではかなり長い期間、桜を愛でることができる。実際、桜前線を追いかけて日本中を旅しているカメラマンもいるくらいだ。
そんなカメラマンのみならず、自然好きを自認する輩の中には、公園などでわさわさと賑やかに咲き誇るソメイヨシノよりも、山中でひっそりと咲くヤマザクラのほうが侘び寂びっぽくて好きだと公言する人は多い。
その点で言えば拙者はどちらも好きである。咲く時期が明確にズレているし、桜がひっそり咲かなければならない理由もないし、そもそも別種なので同列に扱う必要もない、というのがその理由である。
ソメイヨシノは漢字で染井吉野と書くのでいかにも吉野山の桜..大半がヤマザクラだ..を連想させるが、もともとはオオシマザクラとエドヒガンの雑種であり、ヤマザクラとは関係ないのである。
LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.(1枚目)
畑の際に植えられていることから、1枚目・4枚目・5枚目(浅間山)・6枚目は人為的な植栽で、2枚目・3枚目(苗場山)は防風林内にぽつんと残されたように生えていることから、自然発生ではなないだろうか。
ま、種類によらず何れ桜は絵になることは間違いない。この景色を毎春眺めることができるのは幸せなことだ。