年別アーカイブ : 2012

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初冬の落日

2012/11/19

今朝は冷え込んだ。この秋、いや取り敢えずこの冬一番か。8時の時点で2℃だったので、日の出前は0℃だったかもしれない。そろそろ駄犬の水バケツが凍りそうだな。

先週、仕事中に突然ストロボ1台が発光しなくなった。一瞬チャージ音らしき音はするものの、レリーズしても光らないのである。カメラ側はストロボと通信していないことになっているので、当然露出不足になっている。まあ壊れたものをとやかく言っても仕方ないが、常用機材は予備機含め最低2台は必要なので、追加購入を検討。

職業柄ストロボはそれなりに所有しているが、現在のメインはキヤノンの580EX..ストロボは登録商標なのでキヤノンではスピードライトという..である。最新の現行型番は600EXとなっているが、物撮り時はモノブロックを使用するので、クリップオンにそこまでの性能は必要ない。そこで一つ前の型落ちである580EX IIを狙ったものの、意外に600EXとの値段差がないことが判り、仕方なくネットオークションで物色。結局、あまり使い込んで無さそうな程度の良い580EXに落ち着いた。仕事の道具をケチっても経験的に良いことはないが、まあ安く済むのに越したことはない。

と言うことで、昨晩のうちにみちのくへ出立する予定だったのが、落札したストロボが届くのが本日となってしまったため、出立を1日ずらすことに。早く手に入れるために即決価格で落としたのに、発送が遅いってどうなのよ、まったく。しかも予期せぬ仕事も入ってきて..

カテゴリ:写真・カメラ

木枯らし1号

2012/11/18

三峰が赤く染まる季節だ。

上越国境から吹きつける風が強くそして冷たい。東京では木枯らし1号となったらしいが、昨年より20日以上遅いらしい。さらに北海道の平地での初雪は、観測史上一二を争う遅さだとか。確実に冬が近づいているのは確かだが、さてこれが年末前後に帳尻が合うかどうか。

さて、残っていた編集2本に飛び込み1本もようやく完了して、何とか今月末の業務上の帳尻は合わせることができた。これで明日から憂うことなく?出掛けることができる。

一週間ほど北東北に私用で出張ることになるが、現地ではすでに積雪になったとか。これから春まで山行きは天気との相談だ..

カテゴリ:季節感
20121114

言うまでもなく鳥は空を飛ぶ生きものである。

鳥はその大小にかかわらず、身体的な特徴として両腕を2枚の大きな翼として利用できるように進化してきた。そしてその2枚の翼を用いて、地球上の大空を自身の力のみで自由に移動できる点で、地べたを四肢で移動する以外に手段のない他の生きものとは大きな違いがある。鳥好きのその多くは、空を飛ぶことができるという能力にその魅力を見いだす人は多いはずだ。

飛ぶことがある意味当たり前な鳥にあって、空を飛ぶことで主たる生活の糧をえる種類には、高速で飛ぶもの、長距離を移動するもの、水中に潜るものなど、その能力がひときわ長けた仲間が当然のごとくいる。とりわけ、他の生きものを直接襲って餌とする猛禽類の飛翔能力の高さは、鳥の仲間の中でも特筆すべきものがある。

学名の Aquila verreauxii からも判るとおり、ブラックイーグル(現地での呼び名)はAquila属、つまり旧北区を中心に日本にも生息するイヌワシの仲間である。英名はVerreaux’s Eagle(日本名コシジロイヌワシ)で、生息地はアフリカ大陸。大きさやフォルム、それに生態はまさにイヌワシのそれとうり二つであり、全身黒色の羽衣に覆われ、背中から腰に掛けて和名の由来でもあるワンポイントの白が美しい。

写真集「GoldenEagle イヌワシ(平凡社)」の著者である、滋賀県在住の写真家須藤一成氏の撮り下ろしになる本作品では、そのブラックイーグルの巧みな飛行術を、余すところなく見事なカメラワークで捉えている。

猛禽類は小型になるほどその敏捷性は増す傾向にあるが、翼開長がゆうに2mを越す大型のワシが、空の高みから地表すれすれまで、重力を無視したかのようにアクロバティックでダイナミックな動きを見せるのは圧巻である。常にペアで行動すると形容されるほど楽しげに舞うディスプレイフライトや、餌の大半を占めるダッシー(ハイラックスの現地名)との攻防、そしてハンティングシーンなど。特筆は大型のワシではまず見られない宙返り飛行である。

撮影地であるジンバブエのマトボヒルズは、世界遺産にも登録されている貴重な場所だ。本作品では、その奇峰奇岩の太古の風景をバックに、悠然としてそれでいて力強い飛翔能力を魅せるブラックイーグルの姿を堪能できるはずだ。

The most beautiful flyer in the world.

世界で最も美しき飛行家。サブタイトルにある上記フレーズは、本作品で編集とDVDオーサリング、それにパッケージデザインを担当させてもらった私が贈った言葉だ。飛ぶことがすなわち生きることを体現する飛行術の先輩である鳥に対し、敬意を現す意味で、人類初の飛行に成功したライト兄弟の機体からお借りした言葉でもある。

空を飛ぶ生きもののその完成された美しい姿を、ワシ好きや鳥好きにとどまらず広くご覧頂ければ幸いだ。

冷たい雨

2012/11/13

意外にも雪国の奥山は冬を迎える準備が始まったばかり。

ブナの森はまだその大半が落葉していなかった。

そして昨日から冷たい雨が森に落ちている。

ツグミがキョキョっと鳴きながら目の前を横切っていく以外、生きものの姿は少ない。

午後からはさらに風も強まり、夜にはちょっとした雷雨になるらしい。

寒気が入れば高いところでは雪になるかもしれない。

カテゴリ:花・植物|タグ:

HERO3

2012/11/8

何と言っても今欲しいガジェットはGoPro HERO3。現在仕事で使っているGoProはもういつ壊れてもおかしくない状況で、すぐにでもHERO2を手に入れなければならないが、できることなら先日発表された新作HERO3が欲しいところ。

すでに個人輸入で手に入れた人たちの情報が色々で回っているが、15fpsの4Kはまあオマケだとしても、30Pで2.7Kとか、1080の60P対応..720なら120p!..とか、あのサイズで何かもうスゲーって感じ。それにWi-Fiバックパックがビルトインされたのも素晴らしい。ただ残念ながらそれがあだになって、国内正式販売にはまだ時間が掛かりそうだけどね。

昨今はレンズ交換式のDSLRでビデオが撮れるので、フィシュアイ含め超広角レンズが使えるようになり、ワイドなシーンにも簡単に対応できるようになった。ただ、GoProシリーズはそれをあのサイズで実現してしまうわけで、ここにきて4Kだの2.7Kだのと言われれば、ヘタな家庭用ビデオカメラよりもキレイな絵が撮れてしまう可能性が高いのだ。間違いなく現在最強のワイドビデオカメラと言っていいい。

GoProシリーズの映像はすでに巷にあふれている。くだらないバラエティ番組で売れない芸人が頭に付けていたりする、あの小さなカメラがほぼ100%、GoProである。性能はもちろんのこと、うん百万もする高価なぼったくりカメラに比べて、そのコストパフォーマンスは抜群だ。来週幕張で行われるInterBEE(国際放送機器展)にも出展するらしいから、もはや立派な放送用機材の仲間入りである。

で、どんな凄い映像が撮れるかは以下のPVで一目瞭然。個人的にはトラップカメラへの応用に大注目。是非とも720/120Pでアレを狙ってみたい、なと。

 
 

風がない朝はすっかり霜がスタンダードの赤城高原。まだ寒さに体が慣れていないので、朝布団から出るのが辛い今日この頃。そろそろ誘惑に負けて股引着用かな..

カテゴリ:写真・カメラ

谷川冠雪

2012/11/4

なかなか雲が晴れずに姿を見せなかった上越国境。

浅間山から草津のお釜に苗場山、仙ノ倉に万太郎にオキノ耳トマノ耳、上州武尊山に日光白根、そして赤城山。今日はだいぶ白くなってきているのが判る。

溶けて降ってまた積ってを繰り返し、少しずつ厚化粧になっていくことになる。

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ツグミ初認

2012/11/2

冬型の強まった今朝は朝から冷たい北風が吹き、赤城高原から見える国境沿いの山々は降雪模様。特に裏山最高峰の黒檜山は初冠雪だ。

今週は紅葉が盛りで美しい北東北へ出張っていたが、冬型の影響で荒れるとの予報を聞きつけ、予定を繰り上げ昨晩遅くに戻ってきた。

現地で滞在中は車中泊で過ごしていたのが、ふと目覚めた夜半過ぎ、北から渡ってきたと思われるツグミの声を多数聞いた。また、林道では同様に多数のウソを見掛けた。

そして今朝方、家の前の畑でもツグミの姿を見掛け、これが地元での初認となった。雪の便りに冬鳥の到来。少しずつ冬の足音が近づいているのを感じる。

カテゴリ:季節感|タグ:

うさぎの正体

2012/10/29

今日は満月だ。

月は自転と公転の周期が同じ27日の為、地球から見える側は常に同じ面である。それゆえ、日本人は古来より満月になると姿を現すクレーターの陰影を、餅つきをするうさぎに見立て、永らく愛でてきたのだ。

そしてこのほど、その日本人には馴染み深いうさぎ印が、40億年前の巨大な隕石群の衝突によってできたという、何とも途方もない裏付け..以前は仮説だった..が取れたらしい。もちろん最近月に出掛けた人はいないので、これらのデータは地上からの観測結果に基づくらしいが。

月の裏側は常に地球圏より外側を向いているので、自ずから周囲からの隕石の衝突は裏側に集中する。その為クレーターが多く見られるのも裏側である。そして表側には海と呼ばれる盆地状の低地が広がり、その広大な陰影が前述のうさぎ印を形成しているわけだが、巨大な隕石群の衝突でクレーターなどの外輪の縁がはぎ取られたというのが、今回の発見の大ざっぱな要約である。月の地殻は裏側より表側の方が薄いという点も、そういった説の根拠の一つらしい。

月の起源には諸説あり、地球と同時期にできた兄弟説や、地球から分裂してできた親子説、それに宇宙を旅している間に偶然地球の引力に引かれた説などが有力である。何れの説もそれぞれに専門家が唱える、ああなるほど的な説明を聞くことになるが、3番目の引力誘因説は、ジェイムズ・P・ホーガン著の小説「星を継ぐもの」に採用されて興味深い。まだ読んだことがない方は、秋の夜長に一読することをお勧めしたい。月の起源を知ることは、それすなわち人類の起源を知ることと同義なる、なんてね。

ちなみに月の裏側を実際に見たことがある人は、今のところアポロ計画に従事した、それも特定の宇宙飛行士だけだろう。人類最初の月面着陸を果たしたアポロ11号では、月に降り立ったアームストロング船長とオルドリン大佐を、月の軌道をグルグル回る司令船からコリンズ中佐が眺めていたはずだ。あそこまで出張っておきながら、月に降りられなかったコリンズ中佐の心中は察して余りあるが、決して地球上からは見ることができない月の裏側を、その目でナマで見たことがある人はそうはいないだろう。

カテゴリ:気象・天体|タグ:

晩秋の北の森

2012/10/27

この時期はフィールド巡回の季節。普段は単独行動を基本としているので、終日特定の場所に陣取る定点調査ではなく、午前午後で複数箇所をグルグル回る方式をとっている。

天狗様はこれから繁殖シーズンを迎えるわけだが、テリトリー維持のため、今の時期が最も広大な範囲を飛び回ることになる。絶対的な縄張りを主張する防衛ラインを越え、その外側に広がる行動圏を拡張し、隣接する別個体に対し誇示行動を行うのだ。

なので思いがけない場所で、且つ同時に複数個体や、侵入個体などを見掛けることもあるし、うっかりすると一度も目視せずに終わってしまうこともある。ま、それもすべて想定の範囲内ではあるのだが。

北部の森でも特に標高の高いエリアでは、いよいよ晩秋の趣が強くなってきた。シカのラッティングコールにかき消されそうになりながら、近くでベニマシコの鳴き声が聞こえてきた。

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冬への足音

2012/10/25

フィールド最奥地に隣接する北部の森には、すっかり晩秋の匂いが立ちこめていた。

すっくと立つバオバブと見まがうほどのブナの巨木群に囲まれていると、遥か南緯のマダガスカルの日々を思い出す。

晩秋の森が好きだ。無数の息吹が声を挙げ、意気揚々と生きものたちがうごめき出す春も良いが、代謝を下げエネルギー消費を最小限にとどめようと、命あるものが遠慮がちにその身をすくめる秋の終わりが好きだ。

北部の森は、秋の色付きと喧噪に華やぐ季節を通り過ぎ、これから寒さ厳しい季節へと足早に移っていく。もうじきに、麓の森にも冬の足音が聞こえてくる..

先日は撮れなかった上越国境の初冠雪。日中にすぐに溶けてしまう程度ではあるが、谷川の耳が白く化粧されていた。

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