この冬一番
正月早々、ナイコン様がかねてから噂のあった通り、D5とD500を発表した。
フラッグシップのD5は現行デジタル一眼レフの中では突出した性能で、特に最高感度328万などという数字は誤植ではないかと関係者の間ではもちきりだった。その分、値段も突出したもので、きっちり減価償却を計算できるか、ばっさり道楽と割り切るかしないと、とてもではないが手の出る価格帯ではない。
ただ、私の中でナイコン様がメインだったのは、当時唯一無二のAF性能だったF5だったこともあって、正直なところ奇数番号モデルは気になる。ニッコールレンズもそれなりに揃え、写真を専門に撮っていた頃なら手を出したかもしれない..
とは言え、もうこの時代において、フラッグシップ機を持つ必然性はほとんどない。それより一番美味しいのは、そのフラッグシップの性能を若干落として入れ込んでくる二番手モデルであろう。メーカーとしても売れ線として期待しているのはこのラインなのである。某C社と違ってナイコン様は二番手モデルでも容赦無い仕様で来るので、フラッグシップにこだわる必要もないのだ。
ということで今回注目なのはD500のほうだ。詳しいスペックはガジェット系ニュースに譲るとして、やはり注目は4K UHDが記録できることだろう。今年はリオ五輪があるので当然といえば当然で、写真と動画の双方で高精細に記録できるのは、もはや当然の仕様といえるだろう。
よく動画は要らないから機能を省いて安くしろとか、もっと写真のほうに注力しろとかいう輩がいるが、大量のデータを高速に処理するという技術を突き詰めていくと、そこには静止画とか動画とかの区別はないのである。プログレッシブである以上、あくまで1枚の画像データのつながりをいかに効率よく処理していくか、ということに外ならないのだ。
話が逸れたが、D500と昨年すでに発売されているVR200-500の超望遠ズーム、この組み合わせはっきり言ってワイルドライフ撮影最強と言えるだろう。望遠端が500mmでは短いと嘆くなかれ、ナイコン様にはニコン1というテレコン代わり..1200mm以上に換算できる..になるミラーレスカメラがある..正直昔は失策と思っていたが..ではないか。
ということで、よく判っているよねナイコン!というのが、現在の偽らざる心中である。
余談だが、こうなると1年以上前の発売とは言え、某C社の7の付く二番手..は5が付く方らしいが..モデルは微妙な立ち位置になってしまった感がある。さして高感度が強いわけでもなく、ましてや4Kも撮れない今さら感はC社愛好家には悲しい現実だろう。C社は動画の役割を専用機に振ろうと画策していたようだが、D500やパナの安価な4K一眼などを見るにつけ、その戦略の見通しの甘さを痛感しているに違いない。
谷川のモルゲンロートがこの冬一番となった。やはりこの眺めは寒さが厳しくならないと見られない。氷点下7℃以下が連日続くと、駄犬の水バケツもちょっと蹴った程度では割れなくなる。