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何とも胸糞の悪くなる話である。環境省は、国内ではすでに絶滅したはずのトキを、中国から再移入して順調に増えたからと、絶滅から絶滅危惧(1A)に指標を下げるというのだ。

過去に起きた絶滅という事実を、あたかも無かったことにしようとしているその行為には納得がいかない。それならば、どこかに同じ種がいるから、もし国内で絶滅してもそこから連れてきて放せばオッケー、という考え方を助長しかねないのだ。

今回の話、増やすことに努力してきた人達には朗報であっても、絶滅を回避しようと努力する人達にとっては愚行でしかない。

そもそも大陸産のトキは、過去に日本にいた個体群とDNAレベルがまったく同じではないはずだ。例え分類上で種として同じであっても、DNAレベルで異なる個体群を連れてきて、さらに増えたからとそれをもって復活とできる考え方は何とも危うい話である。

その理屈を他の生きものにも当てはめて見れば判るが、シカが増えたからと大陸産のオオカミを放てば、シカの駆除と絶滅したオオカミの復活の一挙両得だという、そら恐ろしい論法に加担することになる。

我らが天狗様ことニホンイヌワシでも、保護増殖事業に関係して雛の移入という行為を行ったことがあるが、あくまで国内に生息する個体の第二雛..大抵は兄弟殺しで死んでしまう..に限るという大前提があった。間違っても大陸産の個体群の雛を使うことはありえないのである。

トキやコウノトリが増えたことは喜ばしいことだ。それだけ日本の米作り..両種とも良好な湿性環境が必要..が安心・安全な状況に改善したことを意味するからね。だが、増えたのはあくまで移入元の個体群であって、絶滅した日本の個体群ではないのである。

穿った見方をすれば..裏の理屈を知る側としてせざるを得ないのだが..保護増殖事業の予算と人を維持したいお役所論理の世界感なのである。そして今回の目論見は、その計画した事業がどうあっても成功したことにしたいお役人たちの、浅はかなる行動と言わざるを得ない。

絶滅した種は絶対に復活しない。復活しないから絶滅なのである。なのでそもそも絶滅しないように保護することに努力・尽力しなければならないのだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

榛名山から八ヶ岳まで遠く見通せるのは冬ならではだ。ここ二日間ほど雪模様であったが、どうやら大晦日と元旦は晴れそうな雰囲気である。

カテゴリ:, 鳥獣・環境問題|タグ:
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