秋も深まってきたと言いたいところだが、未だに気温が高い日が続くせいで近所ではツツジが狂い咲きしている。
例外的に寒椿や冬桜のように晩秋から冬に咲く花もあるが、多くの植物は店仕舞となるのが本来の秋である。
なのでさすがに標高の高いところではもう花を見かけることもほとんどなく、あっても秋の花のリンドウぐらいだが、月初に訪れた2000m級の稜線付近でトリカブトがまだ残っていた。
iPhone 13 mini / クロフネツツジ
Google Pixel 5 / トリカブト
トリカブトの花は晩夏のイメージがあるので、これもまた温かい秋の名残ということになろうか。
名前の由来でもあるその花の形状と、秋の花の特徴でもあるリンドウ同様の紫味の強い青い花は、高い山の上の一足早い秋を感じさせてくれる。
有毒のトリカブトは日本3大毒草の一つとして知られている。漫画ゴールデンカムイでは主人公のアイヌの少女が矢尻にトリカブトから抽出した毒を塗って、ヒグマと対峙するシーンが何回か登場する。
多くの人は毒は根にあると思っているようだが全草有毒である。花が咲いていないとニリンソウやヨモギと酷似しているため、誤食で中毒になる事例が跡を絶たないのはそのためである。
毒と薬は紙一重ということで、昔から弱毒化して生薬として使われてきているが、軍事的に利用されていた時代もあるぐらいその強毒性が強いので、触らぬ神に祟りなしって話である。