早くも展葉し始めた奥山の谷の斜面を、高倍率双眼鏡とフィールドスコープで舐めるように遠望していると、連日のようにクマがブナの新芽や若芽を食べているのが視野に入る。
2km以上離れて陽炎でボヤボヤだが、ブナの新芽を除けばまだまだ景色はモノトーンなので、木の上の黒い大きな生きものは意外に目立つ。
向こうとこちらで明らかに時間の流れが異なるのを感じる。個人的に最も春を感じさせる山の風物だ。