また一人ヒーローが逝く
俳優の渡哲也が78歳で死去との報道あり。若いときは天下の石原軍団でアクション俳優としてならした同氏も、後年は病気がちの印象が強かったが、最後は呼吸器疾患の影響か肺炎という話だ。
もともとは日活出身のいわゆる映画スターだが、我々の年代だと石原プロ制作の刑事ドラマの印象が圧倒的に強く、太陽にほえろの石原裕次郎と並んで、渡哲也と言えば大都会と西部警察というのは合言葉みたいに当時のヒーローだったな。
特に西部警察は、あの当時観ていても刑事ものとしてはなかなか枠を超えたはっちゃけたドラマ番組だった。警視庁の所轄署なのになぜか捜査課総出で地方に出張したり、とても車検通りそうもない特殊車両を何台も保有していたり、九州でも北海道でも出張先にその自署の警察車両で出向いたり、逮捕前でも容疑者に問答無用で発砲したり。
特に渡哲也演じる大門団長が、ショットガンでヘリの機上や遠距離から狙撃するシーンは、子供ながらにも「あり得ねぇー」って突っ込みながら観ていたなw あと、自身のことを「自分は」っていう言い回しはけっこう流行ったぞw
ダーティハリーのファンだったこともあって、キャラ的にはくわえタバコで44マグナム(S&W M29)をぶっ放す寺尾聰演じるリキも好きだったな。
そうそう、日産スカイライン2000GT(通称ジャパンターボ)をベースにした特殊車両である初代マシンXには、証拠撮影用にカメラが搭載されていて、それがニコンF3+モータードライブMD-4で、しかも250フィルムバックのMF-4を背負っていたのをよく覚えている。
渡哲也もそうだが、この春に新コロナで亡くなった志村けんもしかり、もうそんな歳だと言われれば確かにそれは否定はしないが、我々の子供の頃のテレビのヒーローたちが次々に亡くなっていくの見送るのは、まあ何とも寂しい限りだな。
ちなみに、太陽にほえろや西部警察のように主人公たちが走って、殴って、撃ってという刑事もののテンプレがあったからこそ、その後にリアルさを追求してヒットした踊る大捜査線が生まれたと言っても良いだろう。
何はともあれご冥福を祈ります。
北海道の登別と洞爺湖を結ぶオロフレ峠より登別方向を望む。
オロフレ峠は40年近く前に西部警察のロケが行われたことで、その筋の人達には聖地巡礼的な場所らしい。もっとも当時の番組内容はまったく覚えていないし、もちろん聖地巡礼で訪れたわけもなく、まったく別件で立ち寄っただけだけどw
道路自体は名前の由来でもあるオロフレ山にトンネルを通しているので、実は峠自体は開通していない。どうも地勢的に難所だったようで、途中で工事を中止しているようだ。
そんなことで、ロケで爆破や車輌の転落などが日常茶飯事だった石原プロの目に止まったのだろうと推察。