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東京五輪エンブレム騒動で、日本が世界にその恥をさらしているさなか、北米大陸最高峰であるマッキンリー山の名前が、「デナリ」に変更されるとの知らせが届いた。

マッキンリー山の名前は、第25代アメリカ合衆国大統領(1897-1901年)であったウィリアム・マッキンリー(共和党)から命名されたものだが、当のマッキンリー自身はアラスカとは何の関係もなく、その政治的功績(または南北戦争従軍?)を讃えられてのことである。

もともと現地では先住民の言葉であるデナリ..アサバスカン族の言葉で「偉大なもの」を意味する..と呼ばれており、マッキンリー山というのは言わば白人入植の証のようなものである。なので意外に現地ではマッキンリー山よりはデナリと言ったほうが通りが良い。

この話には30年ほど前に前哨戦があって、旧マッキンリー山を含む一帯は当初はマッキンリー国立公園(1917年)としてスタートしていたが、アラスカ国家利益土地保護法..一体アラスカは誰のものなのかを問うた法律(1980年)..によってデナリ国立公園と改名されている。この辺りの事情は当時アラスカで活動していた写真家星野道夫氏(1996没)の著作にも記されており、氏の初期の作品内ではまだマッキンリー国立公園という表現が随所に見られた。

ちなみにウィリアム・マッキンリーはのちに銃撃を受け暗殺され、その後は副大統領であったセオドア・ルーズベルトが大統領に昇格している。

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デナリ国立公園内にあるストーニーヒルからデナリ山を望む。一見すると双耳峰のようであるが、向かって右側のピークが北峰で5934m、左側のピークが南峰で6168mと、その鞍部からの標高差400mを考えると北峰だけで独立峰と言っても良いかもしれない。

山単体で比較すると、世界最高峰のエベレスト山はベース標高からの高さが3700mだがデナリは5400m以上あり、その山塊はエベレストよりも巨大である。緯度も北極圏に近いため、冬季は当然のことながら、夏季でもその気象条件はヒマラヤ山脈よりも厳しいと言われる。

記録の残る初登頂は1913年で、マッキンリー山と命名された後のことである。そして冬季単独登頂に初めて成功したのは1984年の植村直己氏(同下山時に遭難)であり、その後は群馬県沼田出身の山田昇氏ら3氏(同じく下山時に遭難)、下山を含めた成功者では1998年の栗秋正寿氏が記憶に残る。

そう言えば最近テレビで観たので記憶に新しいが、ベテランにガイドされていたは言え、お笑い女性タレントが山頂に立ったのには驚かされた。批判は色々あるようだが、自分の脚で北米大陸最高峰の頂に立ったのは事実のようであるから、それはそれでスゴイことだと思う。

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